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2005年3月14日 定例記者会見

年金財源に消費税増税は許されない
NHK予算には反対
中国の「反国家分裂法」採択について
年金協議機関は前提抜きで
東京4区補選見送りについて
千葉県知事選の感想

 【年金財源に消費税増税は許されない


 年金の財源に消費税を充てるべきじゃないかということが、昨日のテレビ討論会などでも民主党の側から積極的に主張されました。
これは前から民主党が言っておられたことですが、これは民主党さんの主張というだけでなくて、いわゆる「3党合意」そのものの中に消費税の増税に道を開く文言が明確に記されているわけで、なんか自民党や公明党は消費税増税に消極的で民主党は積極的というものではないと思うんですね。ただ、民主党がさかんに「年金財源のためには消費税増税を」と主導的に声高にそう叫んでいるという実態だと思うんですけれど。

 わが党の見地は以前から言っているように、年金の財源というとすぐに消費税という発想自身が根本的に間違っていると。今の5%でも例えば年収500〜600万円のサラリーマンが、年間に払う所得税・住民税はものすごく高い額ですが、そういう人々が払っている年間の消費税の額は、所得税・住民税に匹敵するんですね。

 これが仮に消費税率5%が10%に引き上げられるとすれば、今の所得税・住民税が倍に引き上がるのと同じぐらいの負担になるわけで、ただでさえ暮らし・景気が大変な時に、消費税の増税で年金の財源を賄うということになれば、いっそう個人消費を冷え込ませるし、国民の暮らし・景気に悪影響を与えて、年金の財源そのものを掘り崩すことになる。

 わが党の考え方は、ムダな大型公共事業を削る、軍事費のムダを削る。同時にそれだけでは将来的に足りませんから、取るべきところ、負担能力のあるところにきちんと負担してもらう。

 例えば日本の企業の税金と社会保障の負担を国民所得比でみると今12%ぐらいですが、イギリスは16%、ドイツは18%、フランスは24%。しかもこの10年間で今あげたイギリス、ドイツ、フランスは全部負担を増やしているんですね。

 日本は10年前16%だったものを今12%に減らしている。この間も大企業の法人税の最高税率は引き下げたままの状態になっているわけで、わが党は「定率減税縮小・廃止だけをやるとはなんだ」という論戦をやってきましたけれども、ムダを削るとともに、負担能力のあるところからきちんと取るという形で解決していくべき問題だというのが、わが党の基本的な考え方です。

 【NHK予算には反対


記者 明日、衆院総務委員会でNHK予算が審議されますが、共産党は賛成でしょうか反対でしょうか。

市田 反対ですね。1つは、放送法を踏みにじっておこなわれた政治介入に屈服をして放送番組の改ざんを行った、いわば放送局の命とも言うべき番組編集の自由を自ら放棄するという致命的な誤りと言ってもいいと思うんですけど、その事実を未だにNHKは認めていませんし、むしろ政治家への事前の説明を通常の業務の遂行の範囲内というふうに言っています。

 2005年度の予算案は、こういう放送法の根幹にかかわる姿勢が問われているもとで編成されたわけですから、これが反対の第一の理由です。

 2つめは、例の芸能番組のプロデューサーによる不正経理問題は、局幹部による不正経理隠蔽疑惑にフタをして全容解明にNHK幹部自身が背を向けてきた。当初、NHKが昨年発表・公表した不正経理額の総額は4900万円だったんですけれど、今やその4倍、2億円という巨額に達しようとしている。これは、公共放送の根幹である受信料をめぐる不正に対する姿勢が問われているもとで編成された予算だということです。

 3つめには、2005年度中には民報局がデジタル放送を開始しない地域へのデジタル放送局への投資。例えば青森とか岩手とか秋田、福島こういうところへの・・建設計画が組まれているということです。その一部が減価償却費として予算に計上されています。これは・・・マイナス予算で、放送局の根幹である国内放送費や給与の削減という状況であるもとで、不急の投資や経費を計上するという理由はなりたちません。デジタルテレビを買ってもNHKしか映らないという地域に投資をするわけで、それが全体の状況から見て反対という立場をとるということです。

 NHKの予算について、過去にわが党が反対した例は何度かあります。例えば、国会中継でわが党に対する不公平な扱いをしたということを理由に反対したり、消費税の受信料への転嫁を率先して表明して世論誘導を行ったということで反対したこともあります。

 ただ、「放送・報道内容がわが党の見解と異なるからけしからん」という立場はとりません。政治的公平、言論の自由、国民の知る権利という原則から逸脱が無い限りは、あれこれいろんな番組が放送されてもとやかくいうことはありませんが、今回の場合、問題の性格が違うとみています。

 NHKの側、安倍さんの側の言い分、朝日の言い分、いろいろありますよね。対立している見解があります。でも、完全に一致していることがあるんです。誰も否定していない、NHKも認めているし、安倍さんも認めているという事実をいくつか挙げると、番組の放送直前の1月29日にNHKの放送総局長が安倍氏に会った。これは両方とも認めているんです。そこで、「バランスのとれた番組になっています」と放送総局長がそう説明した。これはNHKも認めているし安倍さんも認めています。

 どうして安倍氏にそういう説明に行ったのかということについて、NHKの記者会見では、「日本の前途と歴史教育を考える会」の幹部だったからということも認めています。これは争われていません。

 それから、事前に国会議員に番組の説明をするのはNHKの通常業務の範囲だと、これは記者会見でNHKが述べたことであります。われわれに説明にこられたことは一度もないですね。念のために言っておきますが。

 3つめに、安倍氏に会った後に、放送内容と時間が大幅に変更になった、これは客観的事実です。

 それから安倍さんのホームページにこういうふうにわざわざ書いています。「偏った内容であることがわかり、私はNHKがとりわけ求められる公正・中立な立場で放送すべきではないかと指摘した」と書いています。こういうなにびとも争っていない客観的事実から見てやっぱり正しくない、そういうことに対する反省がないもとで編成された予算についてわが党は賛成出来ないということです。そういう3つの理由で賛成出来ないということです。

記者 もし・・・・

市田 97年度に受信料への消費税率アップ分の転嫁をNHKが率先して表明した時に反対しましたが、91年度以降はずっと賛成ですね。最近で言えば反対はそれ以来ですね。

 国会中継でわが党に対する不公平な扱いがあったということでNHK予算に反対したのは88年度ですね。

 これまでにも賛成してきたこともあるし反対してきたこともある。今回は反対。ケースバイケースでその年々で判断をするということです、わかりやすく言えば。

記者 反対の理由について優劣というか、特にこれが大きいというのはありますか。

市田 これは重いけどこっちは軽いよとかいうことじゃないですが、説明にどれにどれだけ時間をかけたかで、だいたいわかってもらえればと思います。

 【中国の「反国家分裂法」採択について


記者 中国の全人代で「反国家分裂法」が採択されましたが、これについてはどのような見解を持っていらっしゃいますか。

市田 日本共産党としては、「一つの中国という立場」、これは国連もそうですし、アメリカも日本政府もそうですが、わが国の場合とりわけ、日本がああいう植民地支配をしていた国ですから、「一つの中国」という立場を特別重視して堅持すべきだということをかねがね党として主張してきました。

 そういう「一つの中国」という立場から中台問題を、平和的話し合いで解決すべきだと思います。これは国際的にも共通の願いじゃないでしょうか。問題はそれをどう達成するかということですが、党としては台湾の住民の支持を獲得するということが大事だということを機会あるごとに中国の側にも伝えてきておりました。

 そういう立場から今の事態を見ていきたいというふうに思います。

記者 今回の法案は、軍事的なことも容認している部分もありますから、法律についてとやかく言えないでしょうけれども、あまり望ましいことではないんでしょうか。

市田 今述べた通りです。

 【年金協議機関は前提抜きで


記者 確認ですけれども、年金の協議機関が設置された場合は、共産党は当然参加になるのですか。

市田 前々から言っていますように、特定の考え方を前提にして、もっとわかりやすく言えば、「三党合意」を前提にしてそれにもとづいて協議するというやり方には反対です。そういう前提をつけないで年金や社会保障のあり方について、国会を構成する全党が揃って議論するという場合には当然参加します。それは厚生労働委員会の下に設けられる小委員会であろうと、厚生労働委員会以外の政党間の協議であっても各党全部が揃う、しかも特定の考え方を前提にしないという場合は、当然協議には加わる。

 自・公・民の幹事長会談で、公明党の冬柴さんが「共産党や社民党が入ると消費税の増税に反対しているから話がややこしくなる、それを除いた三党で政党間の幹部の協議をしよう」といった趣旨の発言をされました。なかなか正直ですね。「翼賛政治」そのものですね。考えの一致するものだけで協議しようというのはやっぱりよくないですね。

 全ての政党が揃ってこういう問題を議論すべきだ、それと「前提抜き」という、この二つが非常に大事じゃないかなと思っています。

記者 中か外かこだわらないということですか。

市田 中にも設けたらいいし、委員会以外のところでも各党が全部参加して前提抜きでやるのならやったらいいと思います。三党だけだとオープンではないですね、密室協議ですね。だから全党が参加するべきだと思います。

記者 前提というのは、年金について一元化を前提にすべきではないということですか。

市田 すべきではないでしょうね。各党いろいろな考え方がありますし。われわれは年金の種類による格差をなくす方向には賛成ですが、今一番求められていることは土台をどうしていくか、2階部分・上がどうかというより、土台が崩れているわけだから土台部分をしっかりさせることが大事だと。今言われている一元化はいろいろありますからね。低い方にあわせる一元化なんて国民にとってよくないわけだし、年金一元化に賛成のところだけ集まってこい、そんな議論のあり方というのは民主主義の議論のあり方ではないと思います。

 それから財源として消費税の導入に賛成の党だけ集まれというのもそれはやっぱりよくない。私は消費税の導入を是とする党があるというのはあり得ることだと思いますが、しかしそういう党だけ集まって大事なことを決めるというのはまさに「翼賛政治」ですね。

 【東京4区補選見送りについて


記者 東京4区の問題で、「係争中の場合は補選が出来ないというのはおかしい」ということで自民党の武部幹事長が公選法の見直しも考えるべきだという発言をされているのですが、共産党の立場はどうですか。

市田 公選法の今の規定について議論したことはありません。ただ、あれで選挙がなくなって自民党が一番ホッとしているんじゃないですかね、本心は。

 「1票の格差」を是正すべきだという訴訟が行われている時にそこでの補選は行わないという現行の規定については、積極的な意味があるという面と、その間空白が生まれるという場合もありますよね。そういうこともあるから、よく検討したいと思います。法の趣旨としては積極的な意味を持っていたんでしょうが、まさかこんなふうな形で条項が適用されることになるとは。かと言って1票の格差・憲法違反を是正しろと言って訴訟している人が選挙がなくなるのが残念だからそれを撤回するというわけにもいかないでしょうし。なかなかいろんな問題がからんでいるので。自民党の本音はホッとしているでしょう。

記者 関連ですが、例えばある政党が自分にとって不利な選挙区だと思ったら乱訴する可能性などについては、どうですか。

市田 そういうことも法的には可能でしょうね。そういう意味では本来の法の持っている意味を悪用しようと思えば出来るから、どうするか検討したい。

 現行法でそういうことが規制出来ないということになればどうするか。 

 わが党は東京4区の選挙をしたかったけれどね。

 【千葉県知事選の感想


記者 昨日の千葉知事選挙について、一言感想というか結果について。

市田
 自民党としてはどちらが勝ったとしても内心はよかったと思ってるんじゃないですかね。ああいう選挙というのは、なかなか複雑ですね、われわれにとっては。現職の女性知事と知名度抜群の森田さんと、みんなそこに注目するから。知名度の低い新人で、うちの推薦した候補者がたくさんの票を取るというのはなかなか難しい。選挙というのは、やはりいろんな組み合わせで結果が変わりますから。ただ、選挙で訴えたわれわれの主張には確信を持っています。