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2011年10月1日(土)「しんぶん赤旗」

被災した全医療機関へ国は支援を

参院予算委 市田書記局長の質問


 日本共産党の市田忠義書記局長が9月29日の参院予算委員会で行った質問の内容を紹介します。


東北沿岸部の医療は震災で壊滅的な打撃

写真

(写真)政府を追及する市田忠義書記局長=9月29日、参院予算委員会

 市田忠義書記局長 東日本大震災から半年余りがたちました。真の復旧・復興というのは、あの大震災から生き永らえたすべての人々が、これからも安心してその地に住み続けるようにすることです。そのためには、住まい、仕事、収入の道を確保すると同時に、役場や学校があり、お医者さんが身近にいる、これが必須の条件となると思いますが、総理の基本認識をうかがいたいと思います。

 野田佳彦首相 ご指摘のとおり、医療は国民生活に欠かすことのできないセーフティーネットです。とりわけ被災地における医療機能の復興は被災地全体の復旧・復興の観点からも大変重要であると認識をしています。

 市田 東北地方は、国の医療政策の下で医療の過疎化が大変激しいところでした。中でも東日本大震災の被災地である沿岸部、人口10万人当たりの医師数で見ますと、全国平均が131・5人に対して80人未満というところもあるほどです。ただでさえ深刻なこの地域の医療が、震災によって壊滅的な打撃を受けました。したがって地域医療の復旧・復興を考えるときに、これまでこの地域で頑張ってきたすべての医療機関を国が責任を持って応援する、私はこういう立場が国として当然だと思います。

 首相 復旧・復興において医療は大変重要であるという認識の下で、国としてできることを万全を期していかなければいけないと思いますし、被災地の要望も踏まえながらの対応をしていきたいと思います。

 市田 尋ねていることに答えてほしいんです。被災したすべての医療機関を国が責任を持って応援するという立場が必要じゃないか、この点について、どういう認識かを聞いているんです。

 首相 後押しの仕方はいろいろあると思いますけれども、医療全般がきちっと復旧・復興できるように国として責任を果たしていきたいと思います。

市田 被災者の医療費窓口負担無料化を来年2月以降も延長せよ

厚労相 被災者が困らないように対応

 市田 被災した東北3県の医療機関数を種類別に述べてください。

 小宮山洋子厚生労働相 9月15日時点で、病院については全380のうち全壊が10、一部損壊が290、医科診療所は全体4036のうち全壊が83、一部損壊が1176、歯科診療所は全体2597、全壊が87、一部損壊が827という報告を受けています。

 市田 実に病院で約8割、医科の診療所で31%、歯科診療所で35%、膨大な医療機関が被害を受けました。沿岸部だけだともっと比率は高いです。

 こういう事態を目の当たりにして、多くの医療関係者が現地に駆け付けて何とか緊急事態は乗り越えました。(しかし)被災者の多くがいま仮設住宅に移って、全国からの医療支援もほぼ終了に向かって、これからは次第に日常の医療体制に戻っていくことになります。

 そこで、二つの問題があります。一つは被災者の医療費の負担問題、もう一つは医療機関の復旧問題です。

 被災者の医療費の窓口負担はいまは原則無料ですが、期限は来年の2月末となっています。仕事や収入の確保の道が見えないままで期限が切れれば、大量の医療中断が発生して命と健康が脅かされかねません。延長の措置が必要と思いますが、総理の基本認識をお聞かせください。

 厚労相 被災地の状況などを踏まえて、お困りになることがないようにしっかりと判断をしていきたいと思っています。

 市田 被災者が困らないように対処すると確認しておきたいと思います。

市田 「災害復旧費補助金」制度――全壊の医療機関も対象にすべきだ

首相 柔軟・適切な対応を心がける

 市田 次に、医療機関の現状がどうなっているか、まず、病院について聞きます。

 全壊した10の病院、一部損壊ないし半壊した290の病院のうち、被災前の機能を取り戻した病院はどれぐらいありますか。

 厚労相 病院については、入院の受け入れ不可が84から20、外来受け入れ不可が45から8へそれぞれ減少をしております。

 診療所については、医科診療所の受け入れ不可が515から79へ、歯科診療所の受け入れ不可が563から85へそれぞれ減少し、診療機能は徐々に回復はしつつあると思います。

 3次補正でも災害復旧費の補助金、また地域医療再生基金を積み増して、必要な支援を行っていきたいと考えています。

 市田 全壊した病院を中心にして、依然として医療機能が損なわれたままだということだと思います。

 医療機関の災害復旧には「医療施設等災害復旧費補助金」という制度があります。この申請件数、額、全壊とそれ以外に分けてお答えください。

 厚労相 被災3県の医療施設等災害復旧費補助金の申請件数および申請金額は、医療機関全体で290件、およそ162億円です。そのうち、病院が125件、約140億円、医科診療所が165件、約22億円となっています。

 ただ、現時点では、全壊した医療機関からの申請はございません。どうしてかといいますと、全壊の場合、準備にいろいろ時間がかかることがあると思いますし、また再生基金などで対応しているケースもあると聞いております。

 市田 全壊が1件もないのは準備が遅れているからだけですか。

 厚労相 全壊の場合は、申請準備に対応するのに時間がかかることと、再生基金の方で対応しているケースがあると聞いております。

 市田 どうして災害復旧の補助金を使わないんですか。

 厚労相 災害復旧補助金については、地域医療の提供で中核的な役割を担う公的病院や政策医療を行う民間医療機関を補助対象としています。ただ第1次補正予算で、これまでは対象となっていなかった災害拠点病院や小児救急医療拠点病院などを追加をしています。

 市田 よく質問を聞いて答えてくださいよ。災害復旧のための補助金という制度があるのに、全壊については1件も申請がない。いわゆる「再生基金」を使うからだとおっしゃいました。なぜ災害復旧の補助金を使わないのかと聞いているんです。

 厚労相 災害復旧の補助金は、全体の町づくりの中で使っていくものなので、まだその段階に至っていないということかと思います。

 市田 そういうでたらめを言ったら駄目ですよ。例外的に災害復旧のために使ってよいと、地域医療再生交付金というのを3県に15億円ずつ出したでしょう。宮城、これをもう配っていますよね。全壊、1カ所もありませんか。地域の医療再生計画が立ってからでないと申請できないと、そんなことないでしょう。宮城で、全壊が含まれていませんか。答えてください。

 厚労相 地域医療再生基金について3県に配っております。その再生基金の方で全壊の場合は対応するということが考えられますが、ただ、町づくり全体の計画ができる中で使うことになっているので、まだその準備をしている段階なので実際に使っているところはないということです。

 市田 そういうごまかしをしたら駄目ですよ。大臣、後ろ(役人)を向かないで、こっち見てくださいよ。

 では、手続きがきちんと行われれば、災害復旧助成金の対象に全壊の場合もなりますね。今手続きが遅れているだけで、ちゃんと手続きされれば出しますね。

 厚労相 必要な要件を満たしていれば出せます。

 市田 必要な要件とは何ですか。

 厚労相 仕組みをしっかり検討する必要があると思いますが、その場で再建することが条件になっているために、町づくり全体の中で医療機関をどこにするか決定しない段階で使えていないということです。

橋が全壊すれば補助の対象なのに病院は線引きするのか

 市田 その場で復旧することが原則だとおっしゃいました。国土交通省にうかがいます。橋が洪水で流された場合、全壊した場合、これは当然、災害復旧の対象になりますね。

 前田武志国交相 異常な天然現象で橋が損壊した場合、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の対象になります。

 市田 同じ場所に付け替えていつも洪水で流される場合、若干場所が変わってもお金は出ますね。

 国交相 災害復旧事業では原形復旧が基本ですが、原形という意味は機能を回復するという意味ですから、ご指摘のとおりだと思います。

 市田 なかなか名答弁だと思います(笑い)。もう一つ確認しておきます。木の橋が壊れたと、原形復旧が原則だけれど、もう一度造り直すときに木の橋を造るばかはいませんね。そういう場合、コンクリートの橋に変える。これも災害復旧の対象として助成金は出ますね。

 国交相 改良復旧という制度がございますから対象になります。

 市田 橋が流れた場合は原形復旧といっても、こうやって緩やかなんですよ。ところが医療機関の場合はいろいろ線引きするんです。

 総理は、後押しの仕方はいろいろあるけれど、原則として全部、壊れた医療機関については復旧に国が責任を持つといいながら、全壊した病院は事実上、災害復旧の対象にしない、いっぱい線引きをしている。

病院に入院機能がなくなり重症化、亡くなった方もいる

 市田 病院が全壊した沿岸部ではいまどんな事態が起こっているか。入院機能がなくなったために、重症化した患者は車で1時間半もかかる内陸部の病院に搬送しなければならない。二つ、三つの病院を転々として亡くなったというお年寄りもおられます。これから寒くなって肺炎の患者さんが増えるのに、入院施設もなくて十分な診療も治療もできない。一体どうやって住民を救ったらよいのか。

 全壊した岩手県の陸前高田市の県立高田病院、仮設診療所として診療を再開した。第1次補正予算で仮設診療所(への助成)は認められたが、仮設病院は認められなかったからです。しかし、毎日200人の外来患者が殺到して、現場から、入院や手術の機能なしではやっていけない、入院させれば重篤化することなく1週間もあれば元気を回復することが分かっていても、家に帰さなければならない、こういう悲鳴が上がっています。

 総理、こんな事態はほっておけないと思うんですがどうですか。

 厚労相 原状復帰でなければ使えないということは、こういう災害の際ですから柔軟に対応して使えるようにしていきたいと思います。

 首相 先ほどの橋の事例じゃありませんが、医療についても単なる原状復旧ではなく、厚労大臣が答弁したように、柔軟な対応、適切な対応をするように心がけるべきだと思います。

「仮設病院」を早く認めよ――政府の対応はあまりにスピード感がない

 市田 仮設病院を認めて国が助成すべきじゃないですか。

 厚労相 第3次補正予算に向けて、地域医療再生基金の積み増しを要求しています。仮設病院の設置に要する費用については、この地域での医療を復興する過程で必要性があると認められるということだと思いますので、被災県が作成する医療の復興計画に盛り込まれる場合、これを使えるようにしたいと思っています。

 市田 復興計画ってこれから立てるんでしょう。720億円を再生基金に積み増す予定というのは、補正予算が成立してからでしょう。それから復興計画立てたら待っていられないんですよ。

 高田病院なんかは病床が欲しい、入院機能も手術の機能もないから、仮設診療所としては認められているけれども、病床を増やしてほしいという思いがあるけれど、仮設病院というのは制度がなくて認められていない。助成もないでしょう。どうですか。

 厚労相 地域医療再生基金はすでにつくってあり、3次補正でさらに積み増すので、すでに使える基金はございます。

 市田 じゃ、いくらあるんですか。

 厚労相 各県に120億円ずつございます。

 市田 120億円、全部自由に使えるんですか。復興計画立てなくても、いま必要だというところに使えますか。あの(厚労相の後ろにいる)白いシャツの人(役人)、使えない顔しているじゃないですか。

 厚労相 復興計画の中に盛り込んで使うということなので、各県で早く盛り込めるように厚生労働省としてもサポートをしていきたいと思います。

 市田 全然スピード感がないです。一度、東北3県の医療機関を見に行きなさいよ。そんなこと言っておられる場合じゃないです。次から次へと、せっかく生き永らえた人々は、医療機関がそういう状態のために命をなくしていくという事態が続いているんですよ。そういう認識ではまったく駄目だということを言っておきたい。

市田 公的病院は補助するが、民間は除外するのか

厚労相 補助金使えるよう新しい仕組みも

かかりつけの病院を補助の対象外――血も涙もない

 市田 「医療施設等災害費補助金」についてはもう一つ重大な問題があります。公的医療機関には補助金が出るのに、圧倒的多数を占める民間医療機関にはほとんど補助が出ません。

 被災地域は国の医療政策に基づく公立病院の統廃合が相次ぎ、医師不足もひどい。もともと全国の中でも特に医療過疎が深刻な地域でした。ですから、公立か民間か、病院か個人の診療所か、医科か産科か歯科かを問わず、みんな公共的、社会的な役割を果たしてきたんです。ですから、復旧・復興に当たって、公的な病院と民間とでなぜ差を付けるのか、厚労大臣、明確に答えてください。

 厚労相 地域医療の提供の中で中核的な役割を担う公的病院、政策医療を担う民間医療機関を補助対象としているのが災害復旧費補助金で、これを使うようになっていますが、第1次補正予算で、災害拠点病院や小児救急医療拠点病院などを追加しています。

 市田 聞いていることに答えてください。なぜ政策医療以外の一般の病院や診療所、産科、歯医者さんなどを外すんですか。

 厚労相 これまで、その地域で中核的な役割を担ってきたところに出すようにしてきましたが、地域の実情に応じてできるように、どのように使えるかを考えていきたいというふうに思います。

 市田 どのように使えるか検討していきたいというのはなかなかいい答弁だと思います。災害復旧補助金で、これまでは政府の政策にのっとった政策医療以外は民間は補助がなかった。しかし、必要性があるならば補助を検討してもいいという答弁ですね。そうおっしゃいました。非常にいい答弁です。もう一回確認しておきます。

 厚労相 地域医療の再生基金とか災害のものとかいままでの使途がございますが、何とかとにかく現地の医療を再生しなければいけないと思いますので、その組み合わせなり、うまくいかなければ新しい仕組みを考えるなり、地域の医療をしっかりと応援していけるようにしていきたいと思います。

 市田 住民の身近にあった診療所、かかりつけのお医者さんというのは一番必要なんです。それが政策医療に入っていないから公的助成の対象にしない、こういうのを血も涙もないというんですよ。もう一回答弁してください。

 厚労相 お住まいの方がお困りにならないようにあらゆる知恵を使って考えていきたいと思います。

 市田 地元の人が困らないように災害復旧助成金で必要なものはきちんと対処するということを確認しておきたいと思います。(拍手)

2億円の借金して病院再建――国は知らぬ顔でいいのか

 市田 先日、気仙沼市のある外科診療所の話が新聞で報じられていました。「政府は東北の医療を見捨てるつもりか」、このお医者さん大変怒っておられました。津波で全壊、お父さんの代から38年、外科診療所をやってこられて、1000人の患者さんを抱えている。

 公立病院は復旧費用の3分の2(が国から出る)、ところが診療所は対象外なんです。県が始めた診療所向けの事業も、総額15億円で補助額は最高限度額で1000万円です。これでは医療機器もそろえられない、もう廃業してどこかの病院の勤務医になろうと、そう考えたそうです。だが、地元の人たちから「先生どこにも行かないでくれ」と涙ながらに懇願をされて再建を決めたと。

 建物と医療機器で新たに2億円の借金を背負うことになりました。こういう苦労を押し付けて国は知らぬ顔していいんですか。

厚労相 「さかのぼって補助金出せるようにする」

 厚労相 災害復旧費の中で、いま上限は決められていませんので、その中で必要なものが対応できるようにしていきたいと思います。

 市田 いまのは事実ですね。

 厚労相 今回、東日本大震災に際してそういう形にしておりますので、その中で対応していきたいと思います。

 市田 再生基金を積み増すと言われたけど、先ほど紹介した外科医の場合、2億円の借金をしたというんです。県から独自(補助の)1000万円は出たと。これをいくら積み増しされても、いったん1000万円出たら、これに追加しては出ませんよ。

 確認しますけど、これから再建するところへの手当ては、それ(積み増された分)でされるかもしれないけれど、いま例に挙げた診療所のように住民の願いにこたえて自己資金で借金して診療所を建てたところを支援するんですか、どうですか。

 厚労相 それはさかのぼって出せるようにいたしますので、出せます。

 市田 いい答弁です。確認しておきます。さかのぼって出すと。すでに自己資金で建てたところで一定の額が出ているところでも出す。

 被害を受けた公的な病院への助成は、全壊を事実上外す、そして民間の医療機関への助成は原則としてしない(とされてきた)。今後の手当てですると言われましたから、いわゆる政策医療と言われる体制に入っていない病院や内科、小児科、産婦人科、歯医者、身近にある医療機関もきちんと助成の対象にすることを確認されたので、医療関係者や患者さんは大変大喜びだと思います。

 この間の「選択と集中」「集約化」の名による医療構造改革によって次々と公立病院がつぶされてきた。とりわけ東北3県では医療過疎が深刻になっていた、そこに地震と津波が直撃して医療供給体制も例外なく壊滅的な打撃を受けた。いまの答弁で(民間医療機関も)差別しないと、(全壊などへの対応も)実情に応じてやると言われた。そういう方向に医療政策を転換することを強く求めて、質問を終わります。(拍手)

(厚労相が手を挙げる)

 石井一予算委員長 小宮山厚労大臣。

 厚労相 先ほど申し上げたのは政策医療にかかわる病院についてそういう形でさかのぼってするということで、あとは災害の方の費用でやらせていただくということです。(議場騒然)

 市田 結局、政策医療、要するに国が必要と考える医療機関しか助成しない。さっきはそう言わなかったじゃないですか。いまになって、後ろの白いカッターシャツ(役人)の人から言われてそんな答弁を変更するようでは駄目です。

 予算委員長 確かにすき間があるようですから、後刻、市田さんと厚生労働省としっかりと詰めて、問題があれば持ってきてください。(議場騒然)

 市田 予算委員会の公式の答弁で、厚生労働大臣が、事前に通告しておいた質問に対して、政策医療以外も助成する、上限なしということで言われたわけですから、それをこの質問の確認として、これ以上の答弁は要りません。(拍手)

 予算委員長 市田議員の質問が終わりましたので、それ以上政府の答弁は求めませんが、この問題は理事会で協議し、結論を得て、救済の方へ向かって頑張ろうと、こういうことにしましょう。


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